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4.142015
ベストなドラムの「立ち位置」は?
ドラムという楽器は、そのサウンドの存在感もさることながら、ビジュアル面での華やかさも兼ね備えていて、聴く人や観る人を大いに魅了します。
サウンドもルックスも、とてもダイナミック。楽器でありながら、どこかスポーティーな演奏スタイル。
音楽好きなら、誰もがきっと一度は「カッコイイ!」「叩いてみたい!」と思ってしまうドラムですが、未だに敷居の高いイメージが定着していて、日本では、まだまだドラマー人口が少ないのが現状です。
是非とも、「もっと多くの人に、ドラムの楽しさを味わってもらいたいと」いう思いも込めて、今回は、ドラムがバンド全体にもたらす「影響力」にスポットを当てて書いてみたいと思います。
ここで、スタンダードな4人編成バンドにおける、各パートの「ステージでの立ち位置」を考えてみます。
まずは、ヴォーカルがセンターの一番前。続いて、ギターとベースが両サイドで、ヴォーカルの少し後ろ。最後に、ドラムがセンターの一番奥。
大抵の場合、この「ダイヤモンド型」のフォーメーションが基本です。バンドによっては、ギターとベースが左右入れ替わる位で、ドラムは常に、観客から一番離れた位置にセッティングされています。
私は、バンドを始めたばかりの若かりし頃、ずっと疑問に思っていました。
「ドラムが一番後ろって、誰が決めたんだろう?」
「ドラムが一番前だと、何でダメなんだろう?」
まるで、暗黙の了解であるかのように決められた、バンドの立ち位置に不満を抱き、自分の担当楽器であるドラムを、何とか「前面に押し出せないだろうか?」という事ばかり考えていたのです(笑)。
ところが、バンド活動を続ける中で、このダイヤモンドの意義を「なるほど!」と、自分なりに心から納得する瞬間が訪れました。
それからというもの、私は、ドラムの役割に徹する楽しさを感じるようになったのです。
私が思うに、ドラムが一番後ろに位置するべき理由は、その音像が極めて「立体」であるからです。「高さ」があり、「幅」があり、「奥行き」がある。いわば、大きな「壁」のようなものです。
もしも、壁が最前列にあったとしたら、奥の音は観客に伝わりません。最後列にドラムの壁があるからこそ、全体の音を後ろに漏らさず、ステージ上で「パッケージ化」して、かたまりとして聴かせる事ができるのです。
それに加えて、ドラムには「音圧」があります。イメージとしては、奥から観客席に向けて、ギターやベース、ヴォーカルの音を絡めながら「押し出す」働きをしているのです。いわば「強風」のようなものです。
この「強風を起こす壁」が、常にバックから見守っているからこそ、他の楽器隊のパフォーマンスも安定し、観客のヴォルテージを上げていく事が可能になるのです。
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