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3.162015
フィルインの効果
「フィルイン」(=フィル)は、ドラマーにとって大切な見せ場の1つです。
一定のパターンで演奏している最中に、つなぎ目の部分で入れる「即興的」な演奏の事ですが、リズムの「味付け役」的な要素があるため、日本では「オカズ」とも呼ばれます。
ご存知の通り、ドラムには「音階」の概念がありません。「どこを叩いても鳴ってくれる」という懐の深さと、自由度の高さを合わせ持った楽器です。
そのため、「パーツ」「タッチ」「リズム」等のチョイスを好きなように組み合わせれば、無数のフィルパターンを生み出す事ができます。
このように、フィルパターンには、明確な「正解」「不正解」がありません。裏を返せば、ドラマーのセンスが存分に問われるわけですね。
私自身、この「センス」とは、言い方を変えれば、リスナーとの「駆け引き」であると思っています。
例えば、いくら難解なドラムフレーズであっても、始めから終わりまで、常にせわしなく「ドヤ顔」でプレイされた日には、リスナーの心の中に「慣れ」が生じ、意外に飽きられてしまうのです。
反対に、超シンプルなフィルでも、楽曲のイメージにハマっていたり、繰り出すタイミングが絶妙であれば、一気にリスナーの心をつかむ事ができます。
個人的には、難解なフィルとシンプルなフィルをさり気なく織り交ぜながら、「ひけらかさない」カッコ良さを演出するのが好きですね。
あとは、適度な「裏切り」も大切です。どストレートなリズムで押していた所に、あえて不自然でクセのあるフィルをカウンター的に入れてみたり。
「そろそろ、フィルに行くぜ!」と見せかけて、キレイサッパリ、何もしなかったり(笑)。
リスナーは一瞬、「なんだ?」って思うけど、なぜか次の展開が気になる…。これって、まさに駆け引きですよね?
要は、リスナーの心を揺さぶるためには、「緩急」や「抑揚」が欠かせないという事です。
まさに、野球のピッチャーで言う所の「チェンジアップ」に当たりますが、リスナーが自然にノリ出すタイミングを上手く外してあげることで、ハートを撃ちとる事ができるのです!
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