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4.72015
ドラマーとは、「ノリ」の演出家
ドラムは、バンドの「ノリ」を作り出す楽器です。
という事は、ドラマーは、バンドのノリを作り出す人になるわけです。
ですから、「ドラマーのノリが、バンドのノリとなる」と言っても、決して過言ではありません。
ドラマーの叩き方次第で、楽曲の雰囲気がガラリと変わります。以前にも書きましたが、ドラマーの持つ先天的なニュアンスは、一人一人違います。
それに加えて、「テンポ感」の違いや「パーツのチョイス」の違い等々…。
音階を持たないドラムだからこそ、奏者であるドラマーの「センス」にスポットが当たるのです。これこそが、ドラムという楽器の醍醐味だとも思っています。
さて、ノリと言うと、「明るい」「軽快な」「速い」といったような、プラス要素のワードを連想しがちです。
これらは、俗に言う「ノリの良い楽曲」のイメージだと思いますが、実は、その「逆」も存在するのです。
「暗い」「荘重な」「遅い」といったものですが、ここだけ切り取って聞くと、何だか気持ちまで沈んでしまいそうですね(笑)。
では、これらが「ノリの悪い楽曲」という事になってしまうのかと言えば、決して、そういうわけではないのです。
例えば、「バラード」にも、厳然とノリは存在しますが、もしも、バラードが明るくて軽快だったとしたら、印象はどうでしょうか?
おそらく、リスナーは物足りなさを感じ、大して感動もしないはずです。それは、楽曲を生かすようなノリ作りをできていないからです。
アップテンポ・ナンバーの場合は、まさに、ノリノリで押しても全然OKなわけですが、ミディアムやスローの楽曲の場合は、そうとも限りません。
それは、決して「ノリを悪くする」というわけではなく、「楽曲に寄り添ったノリを演出する」という事です。
その部分に徹した時に、「暗い」は「哀愁のある」に、「荘重な」は「思慮深い」になり、「遅い」は「落ち着きのある」に形を変え、楽曲を彩るのです。
こうして見ると、ノリ自体に「良し悪し」や「陰と陽」みたいなものはなく、あくまで、楽曲によって表裏一体であるという事が分かります。
だからこそ、ドラマーは、日頃から様々なジャンルの音楽を聴いたり演奏したりしながら、多くのノリを自分の体内にストックしていく事を心がける必要があります。
また、意外ですが、音楽だけでなく、映画を見たり読書をする事によっても、ノリを養う事ができます。
なぜなら、ノリとは、「感情的」なものだからです。気を付けたいポイントは、機械的に吸収しようとするのではなく、その世界観にドップリと浸って感動していく事です。
テクニカルな部分を超えた、メンタルなトレーニング。これも、魅力的なドラマーになるため、特に、プロを目指す中級以上のドラマーにとっては、非常に重要なスキルです。
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