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やりたい事をやるために

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先日、とある友人と、久々に飲みに行った時の話です。

その友人は、今は会社員として働いているのですが、かつてはアマチュア・バンドのギタリストとして、ライブハウスを中心に活動していました。

彼は、明るく元気な男で、私とは古くから親交がありました。20代前半の頃には、ライブ・イベントで共演したり、私がサポートでドラムを叩いたり、朝まで音楽の夢を語り合ったりと、お互いに青春の道をひた走っていたわけです。

そんな彼も、30歳を手前に音楽活動を卒業し、一般企業に就職。その後は結婚して子供にも恵まれ、忙しいながらも順風満帆な毎日を送っていました。

一方の私はと言いますと、ちょうどバンドが解散して苦しい真っ盛りだったので、人並みの幸せを手にしている彼の生活が眩しく思えて、遠くから羨んでおりました(涙)。

このように、誰が見ても充実感に満ち溢れた彼が、久々の飲みの席で、ポツリと私に言ったのです。

「いいよなぁ、ウメは。好きな事やっててさ」
「俺もバンド辞めなきゃ良かったかな?音楽の仕事したいな」

私は、思いがけない彼の言葉に、レモンサワーを噴き出しそうになりました。

私 :「エ!?何言っちゃってんの?『そろそろ結婚もしたいし、俺、就職するわ!』って、何の未練もなく明るくスパッと音楽辞めてったクセに」

友人:「確かにあの時は勢いでね。音楽より大事なものを見つけた気がして。でも別腹だったよ。今でも暇な時は趣味でギター弾いてんだ。今さらだけど、俺なんかのスキルでも、何かに活かせないかなぁ?なんて」

私 :「そうだったんだ?てっきり、ギターの事なんて忘れてると思ってたよ。音楽の仕事、やればいいじゃん」

友人:「やりたいけど、現実的に無理でしょ。音楽系の仕事なんて少ないし、第一、今から転職なんてカミさんが許してくれないよ」

私 :「誰も転職しろだなんて言ってないって。自分で会社作っちゃえばイイんだよ」

友人:「へ?会社?俺が?」

私 :「そう。自分の会社を作って、まずは副業から音楽の仕事を始めてみるって事。副業だったらリスクも少ないし、もし売り上げが伸びてきたら、最終的には本業にスライドする事もできるしね」

友人:「なるほど、副業かぁ。そりゃ音楽を仕事にできれば嬉しいけど、俺なんかにできる事あるのかなぁ?それに会社を作るなんて聞くと、凄く敷居が高いというか、全く想像つかないよな。設立にも、色々とお金が掛かるんでしょ?その点、法人よりは『個人事業主』の方がいいんじゃない?」

私 :「確かに。個人事業主のメリットと言えば、初期費用が安く済む事だよね。だけどその反面、社会的な『地位』や『信頼』という点では、やっぱり法人の方が有利なんだ。平成18年に『合同会社』といって、同じ法人でも株式会社に比べてずっと安い費用で設立できる形態ができたんだよ。手軽に『法人格』を名乗れるから、日本でも急増してるんだよ」

友人:「合同会社?初めて聞いたわ。へぇー詳しいな」

::::::::::::::::::::::::

私は、友人との会話を通して、音楽に対する彼の強い思いと、自分の音楽スキルを仕事として活かしてみたいという「興味」や「願望」を知る事ができました。

と同時に、その興味や願望は、日頃のせわしない現実から見た時には、あくまで「理想論」や「夢物語」に過ぎないものであり、実際に叶える事は困難であるという「巨大な思い込み」を抱いている事も分かりました。

その思い込みの一番の原因として、

「自分の音楽スキル程度では稼げない」
「仕事と趣味は立て分けるべき」
「音楽で稼ぐなんてムシが良すぎる」

といった、「セルフイメージ(自己肯定感)」の低さが挙げられます。例えアマチュアであっても、ミュージシャンの持っている音楽スキルやノウハウの質というのは想像以上に高いものです。

本人からすれば、大した事のないテクニックであっても、ズブの素人から見れば、それこそ「お金を払ってでも欲しい」貴重なスキルになるわけです。

実は、この点に気付かない人があまりに多いのです。その原因は、長い音楽経験の中で、自分よりスキルやノウハウの優れた人間を目の当たりにしてきてしまった事にあります。

極端に言うと、第一線で活躍する有名アーティストたちと比べるあまり、「自分なんかまだまだだ…」と思わず卑下してしまう。

でも、果たしてそうでしょうか?

例えば、「運転技術」で言えば、その最高ランクの人間は「F1ドライバー」という事になります。しかし、私たちは運転免許を取得する時に、F1ドライバーからは教わりませんよね?

教えてくれる教官は、どちらかと言えば普通のオジサンです。だけど、私たちはちゃんと運転技術を学ぶ事ができる。

音楽スキルも何ら変わりはなく、最高峰でなくても提供できる情報は、いくらでもあるのです!

別れ際、私が彼に「漠然とでもやりたい事があるのなら、無理だと決めつけずに、全て実現して欲しい」と伝えると、スッキリした表情になって帰っていきました。

やりたい事をやるために、犠牲にしなければならないものは、何一つありません。

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