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5.102015
「歌モノ」ドラムの心得②
歌を聴かせる楽曲、すなわち「歌モノ」の演奏時に、ドラマーが気を付けるべきポイントとしては、
①ヴォーカルを聴かせるプレイに徹する
②歌詞の世界観を正しく理解する
③メリハリをつけたプレイで、ストーリーを表現する
といったものが挙げられます。
まず、①に関してですが、これはごく当たり前の事のようで、実は見落としやすく忘れがちな大切なポイントです。
歌モノというだけに、ドラマーに限らず各楽器隊は、「ヴォーカルを1番に聴かせる意識」を持って演奏する必要があります。
ドラムスキルの吸収段階にある初心者なら仕方ないとしても、中級以上のスキルがありながら、この根本の意識をすっかり忘れてしまっている、もしくは「ヴォーカルを生かす」という考え方すら持っていないというドラマーが意外と多い事に驚かされます。
どんなに素晴らしい楽曲であっても、ドラムが出しゃばってしまっては台無しです。
歌のバックで、常にテクニックを「ひけらかす」よりも、基本はヴォーカルをフィーチャーした上で、その合間で「さり気なく」イカしたフレーズを聴かせるドラマーの方が、何十倍も魅力的なのです。
②は、特にドラマーにとっては超重要な課題だと思っています。「ドラマーが、楽曲の歌詞の内容を理解した上で演奏しているか?」という事ですが、これがしっかりとできているドラマーって、実際はけっこう少ないのです(涙)。
ヘタをすると、楽器隊全員が、歌詞の内容そっちのけで演奏に没頭しているケースもある位です。
必ずしも、ドラマー自身が作詞者であるとは限りません。しかし、他のメンバーが作詞した場合であっても、出来上がった歌詞をじっくりと読んでみて、その世界観を深くイメージしながら、自分の中で消化していく…。
この作業こそが、歌モノのドラムを演奏する上では必要不可欠です。実は、この作業が不十分だと、本当の意味で③には辿り着けません。
理想は、空で、もしくはドラムを叩きながら歌詞を全編口ずさめる事。
それと同時に、歌詞のイメージが頭の中に広がってくる状態ですが、最低限、歌詞の大まかなイメージだけは、自分の中で確認しておく必要があるでしょう。
ドラムは、音階を持たず、ダイナミックでスポーティーな楽器です。
その影響もあってか、演奏者であるドラマーは、歌・曲・歌詞といった「音楽性全般」について深く語り合ったりイメージしたりする事が、他の楽器プレイヤーに比べて、やや苦手な傾向にあるようです(もちろん、プレイやリズムに対する情熱は随一ですが!)
でも大丈夫。特に歌モノにあっては、その苦手意識を逆手に取る事が大切です。
ヴォーカルを生かし、歌詞の世界観に迫り、そのストーリーを演出するようなドラミングを意識していけば、必ずドラマーとしての魅力がアップし、周りのドラマーたちに差をつける事ができるでしょう。
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