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2.182015
「前ノリ」「後ノリ」とは?
今回は、クリックについて、さらに掘り下げて話をしてみたいと思います。
前回は、クリック音にジャストで合わせるトレーニング法を紹介しました。とにかく、最初のうちは、クリックに対して忠実に叩く事だけに注力します。
まるで、自分の体がメトロノームになったようなつもりで(笑)、練習に取り組むのが良いと思います。
これによって、ブレイク時に無音になったような時でも、自分の中のテンポを信じる事ができ、リズムキープできるようになるわけです。
とにかく、始めは「ジャスト命」で!
しかし、ここまで話をしてきて矛盾するようですが、クリックにジャストで合わせ続けるのは、ドラマーにとって、実はかなり難しい事なのです。
完璧にジャストのタイミングで叩くと、クリック音が消えて、自分のドラムの音だけが聴こえるようになります。この状態が続くと、ドラマーはリズムを取りづらくなり、徐々にテンポがズレていってしまうのです。
つまり、自分ではジャストのつもりが、実際には、微妙に「前ノリ」か「後ノリ」になっているという事です。
リズムの取り方に関しては、とても奥が深く、簡単には論じ切れない部分ではあるのですが…。
大まかに言うと、クリック音よりも若干(ミクロです)、前に入るか後ろに入るかによって、ノリが変わってくるというものです。前であれば「ツッこむ」、後であれば「タメる」というのが、適切な言葉でしょうか。
これは、若かりし頃の私がそうだったように、「ハシる」「モタる」といったものとは全く異なります。
例えば、ずっと前ノリで合わせていたのに、途中で急に後ノリに変わったとしたら、その瞬間こそが、「モタった」となるのです。
これとは逆に、後ノリ傾向の人が前ノリ気味になった時に、「ハシった」となるわけです。
やはり、浮気はいけません。前ノリをキープするからこそ、「ツッこんだ」疾走感が出る。後ノリを貫くからこそ、それが味のある「タメ」となる。
こうして見ると、ノリとは絶対的なものではなく、相対的なものである事が分かります。「前ノリ派の人」「後ノリ派の人」、聴く人の好みによってもノリの感じ方が違ってくるのがまた、音楽の面白い所です。
ドラマーも、タイプによって「前ノリ傾向」か「後ノリ傾向」に分かれるそうですが、楽曲やシチュエーション次第で、ノリを意識的にコントロールしてみるのも、リズムを彩る上で有効なテクニックですね。
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