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4.302015
「ダブル・ストローク」という調味料
ダブル・ストローク(=ダブル)」は、ドラムサウンドに表情をつける上では、欠かせないテクニックの1つです。
ただし、教則本によって書かれている内容や奏法には若干の違いがあるので、自分が一番「シックリくる」練習法を参考にすると良いでしょう。
ダブルとは、簡単に言えば「2度打ち」の事です。1回のスティックの振り下ろしの中で、スネアやハットを2連打する事ができればオッケーです。
指や手首を使うため、マスターするまでには、ある程度の練習が必要になりますが、最初からカタチにとらわれ過ぎず、まずはリラックスして、柔軟に取り組んでいく事が大切です。
特に、ドラムを始めて間もないうちは、バスドラ・スネア・ハットを絡めた「手足の分離」の練習に必死だと思います。
多くの人が知っている通り、ドラムと言えば、両手両足が全て違った動きをする楽器。こういったアクションは、日常生活の中ではまずあり得ません。
なので、初めてドラムに触れる時なんかは、たどたどしさ満点です。生まれたての動物みたいになってしまい、演奏どころじゃありません(笑)。
手が足につられたり、今度は逆に、足が手につられたり…。これらの動作を、まずは頭の中で分離させてから、徐々に体に覚えさせていきます。
何事もそうですが、階段の1段目というのは、高めにできているものです。でも大丈夫。そこから2段目、3段目と進むにつれて、段差は小さくなっていきますから。
始めは、ゆっくりゆっくり、階段を踏みしめながら上っていくイメージですね。
その時期を乗り越えて、一通りのリズムパターンを叩けるようになった頃が、まさにダブルを練習し始めるタイミングです。
ダブルをリズムパターンの要所要所に入れる事により、より立体的なドラム・サウンドを作り出す事ができます。
これは、ジャンルやテンポ等にもよるので、一概には言えませんが、シングル・ストローク一辺倒では、リズム全体がペッタリとして聴こえてしまい、どこか味気ないものになってしまいがちです。
そこで、ダブルという「調味料」を絡めていく事で、リスナーへのアプローチを、ガラリと変えてみるわけです。
ダブルは、アタックというよりは、ニュアンスとしての要素が強いので、音量的には決して目立つものではありません。
しかし、肌で「感じる」といった意味での存在感は絶大なものがあります。
私も、特にミディアムの曲では、ダブルのフレーズを散りばめる事が多いのですが、プレイヤーの立場からいっても、リズムにノリが生まれ、心地よい緊張感を味わう事ができます。
ダブル・ストロークとは、楽曲のムードを演出する、いわば「空気感」を作りだす作業なのです。
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